社畜レベル向上プロジェクト

真剣に社畜としての自分の人生に向き合うブログです

新卒採用担当者が学生を見極めるときのポイント 〜就活生の君へ〜

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以前にこのブログで僕自身の就活での失敗談について書きましたが、無事に就職できた後、僕も新卒採用に数年間携わりました。

人事が面接する前に学生をふるいをかける立場にいまして、通算で一千人以上の学生と会ってきました。
何年間かその仕事をしていると、そのうち人事から内定を貰える学生の見極めが相当高い精度で出来るようになってきます。
最後の年には、僕が上げた学生は100%全員内定を取りました。(決して数を絞ったわけではなく、内定者数もそれまでで一番多かったです)
就活生の方がこのブログを見る確率は残念ながらかなり低そうですが、、、せっかくなので自分なりに内定の取れる学生の特徴を挙げてみたいと思います。

1.自然な笑顔がある
大前提ですね。コミュケーションの基本中の基本。営業は当然ですが、開発や企画を希望する人間だって、1人で出来ることなんて何もありませんから、自然な笑顔を見せられる人間じゃないと実務でも壁にぶつかりやすいです。
自然な、と書いたのは、ごくたまに作り笑顔が木になる学生がいるからです…。言葉と笑顔がリンクしていないという違和感や、本来笑うタイミングが違っていたりすると、なんか気づきます。きっと普段笑っていない人は、大事な場面でもやはり笑顔は作れないということなんでしょう。よく笑う人は周囲の人をも楽しい気分にしてくれますよね。学生時代をどれだけ笑って過ごしてこれたかというのは、企業側が一緒に働く人間を選ぶ際には無意識にでもよく見ているということですね。

2.それまでの人生に「軸」がある
仕事を始めると、当然数多くの壁にぶつかります。知識の壁、経験の壁、そして理不尽の壁。。。これらの壁にぶつかった時、自分を支えてくれるもの、鼓舞してくれるものが自身の内側にあるかどうかが大事になります。
僕の場合は、突き詰めて考えると
「周りにバカにされたくない」
これでしょうね。
チープに聞こえるかもしれませんし、違う考えの人ももちろんいるでしょう。
でもかっこつけずに素直になって自己分析をすると、どうしてもここに行き着いてしまうのです。
ちゃんと説明しないとただのガキの考え方に思われてしまうかもしれないと思い、自分の就職活動では、「負けず嫌い」という表現を使っていました。
中学生のときに始めたテニスでは、自分より下手な人に負ければ死ぬほど悔しがり、負けないためにどうしたらいいか考えて練習しましたし、勉強もバカにされないためにしていた気がします。
その甲斐あってか、中学、高校、大学と全てテニス部(大学は一応サークルでしたが)で部長を務めました。先輩達から選ばれるケースもあれば同年代達から選ばれるケースもありましたが、いずれも妥協しない僕の姿勢を評価してくれたものと思います。
そしてそれが僕の自信となり、考え方、発言、行動において力強い安定感をもたらしてくれたと感じます。
僕自身の就職活動で評価してもらえたポイントも結局はこの自信だと思っています。そして仕事において顧客や関係者から、知識の無さや思慮の浅さを指摘されたときにでも、心から悔しいと感じ、バカにされないために努力をちゃんとする人間だと、そう判断してくれたようです。
何でもいいので、何かひとつのことを続けている学生は自分の軸について説明がしやすいでしょうし、採用担当者からも安定感があるように見えるはずです。体育会に所属している人は就職に有利とはよく言われますが、体育会系は一般的には軸が強い人が多いでしょうし、採用側が感じる体育会系の学生独特の安定感を踏まえれば、それは当たり前のことですね。
逆に色々なことに手を出していても、その行動全てに共通の理由が付いてくれば問題ありません。むしろ軸が明確になりやすいケースもあるかもしれません。
僕の尊敬する先輩のひとりは、野球、陸上、ラグビー、卓球、テニス、と色々なスポーツに手を出していましが、決してただ飽き易いというわけではなく、先輩は「本質を理解する」ということだけに興味があったのです。
バットやラケットにボールを当てる時にはどのような身体の動きをすると最も合理的にパワーをボールに伝えることができるのか、どのような練習、人材選びをすると最も勝ちに繋がるチームができるのか、等々を考え抜きながらトライ&エラーをし続けたかったのです。ただ、ある程度本質を理解出来たと思った段階で、別に興味が移ってしまうので、どのスポーツでも一流のプレイヤーにはなれなかったようですね。ただ、かける時間対比、上達の速度は断トツで早かった自信があるとは言っていました。この先輩のパターンも軸がとても分かりやすく、仕事においても常に本質を追求してくれそうだと採用担当者も感じるでしょう。例え興味の対象が移りやすい性格だとしても、会社には数え切れない程の種類の仕事がありますし、海より深く理解しないと辿り着けない世界に入って初めて一流と言われるようになりますから、移り気を心配する必要はないでしょう。
むしろ会社が見切られてしまって辞められてしまうことのほうがリスクに感じますね。

3.自分がやりたいことの延長線上に会社がある
志望動機は何ですか、という質問は直接的にせよ間接的にせよ採用担当者は必ず聞くと思います。
それは、この質問に対する回答で、その学生の本気度がある程度分かるためです。
ここで、「御社の自由闊達な社風と若いうちからチャレンジできる環境に惹かれて志望しました。」なんて答えていたら、その企業への内定は一気に遠のくでしょう。
会社はあくまで自分がやりたいことをするために、学びたいことを学ぶために選ぶべきものなのです。
そしてそういうマインドを持った社員こそが新たな価値を生み出すことができると企業は知っています。志望動機ひとつとっても、形式を整えるのではなく、自分がやりたいと思うこと(楽しいと思うこと)は何なのか、それが求められる市場はどこなのか、学べる企業はどこなのか、を真剣に考え抜くことが大事です。
僕が今思い出せる範囲で、内定を勝ち取った学生が面談で言っていたことの抜粋を書いてみます。
「できるだけ多くの困っている人達の力になりたい、だからこれからの人生は新興国のインフラ開発に貢献したい。そのためには多くの実績を持つ御社で働く必要がある」
「日本経済を支えている中小企業の力になりたい。そのためには経営者と経営の議論ができるレベルにならないと話にならない。企業経営者と直接交渉や議論ができる御社で素早く多くを学び、経営者にとっての真のコンサルタントになりたい」
「不透明な世界経済の中でも日本企業の、日本文化の素晴らしさを世界に示したい。日本の中小企業が取るべき選択が合理的な判断になるように、経営者の経営判断をサポートできる御社で働きたい」

どうでしょうか?彼らの話はこんなにきれいにまとまっていなかったとは思いますが、話を聞いていてスッと腹に落ちたので覚えています。

今年の就職活動でもたくさんの絶望や悔し涙、喜びや感動があると思いますが、高い志を持った学生達がちゃんと望んだ道に進めることを祈っています。