社畜レベル向上プロジェクト

真剣に社畜としての自分の人生に向き合うブログです

情報のアンテナを高く持つということ〜社畜的情報の活用術(営業編)〜

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「情報のアンテナを高く持て」と昔はよく言われていたように思います。昔といっても10年位前の話ですが、当時はネットで情報を得ることがちょうど普通になり出した頃で、特に情報の価値について皆が注目していた時代というのもあったかもしれません。
でも、これだけ質の高い情報が簡単に手に入る時代で、アンテナを高くするってどういうこと?って思いますよね。
なので、実際に僕が目の当たりにして、心から感心した話を書きたいと思います。

 

僕は銀行に入社してすぐに法人営業部に配属になりました。一通りの研修も終え、ようやく自分の担当企業を与えられましたが、一体何をどうしたらいいのか分からない状態でした。研修ではビジネスマナーや財務分析などは学びましたが、どうやってアポを取るかなんて学んでなかったですからね。。。
とりあえず定例の集金にまわり、もともとの親密先にアポを取って世間話をしながら、「設備投資とかありませんかねー?」「いやー、当分ないですよー」なんて会話をして帰ってくる、といった典型的な仕事の出来ない銀行員でした。新人ですからそれでも許しては貰えていましたが、自分自身が情けなくて仕方なかったです。
そんな僕でも日経新聞は毎朝ちゃんと読んでましたし、その他のローカルな新聞も一通り目を通していました。しかし、全ての情報は僕にとっては世間話の材料にしかなっていなかったのです。
ある日、ローカル新聞の端っこのほうにとある記事が小さく出ました。
その内容は、とある外資系の大手製薬会社が日本から撤退するにあたり、郊外にある製薬工場の売り手を探していたが、どうやら製薬工場は自分達で独立することを検討しているようだ、というものでした。
僕はその記事をふんふんと読み飛ばし、その日は普通に出社して仕事をしていました。
僕らの部署は毎日夕礼がありました。皆、自分がやろうとしている案件の進捗をそこで部長に報告しつつ、部署内全員でそれを共有するというものです。
その日、同じグループの先輩の1人が、急に「大口の新規先になりそうな顧客がいる」という報告をしました。なんだなんだ?と思っていると、なんとそれは今朝ローカル新聞で見た製薬工場の独立の話だったのです。
先輩はその日、その記事を見てすぐにその日の予定を全てキャンセルし、車で片道1時間半の道のりを朝から飛ばしてその工場に赴き、工場長をはじめキーパーソン全員とたっぷり話をしてきたのだそうです。当然、その日に直接やってきた銀行員はその先輩だけで、物凄い信頼を勝ち得ていました。これだけ大きい工場が独立した場合、その取引規模は相当なものになります。
僕は、先輩のこの行動に心から脱帽しました。自分の同じ記事を同じタイミングで見ていたのに、僕は何をやっているんだ!と目が醒める思いでした。
きっとその先輩にとっては毎朝の新聞もネットニュースも顧客との会話も、全てがネタの宝庫なのでしょう。
顧客との会話のために、なんて思って情報を得ている自分とは実力に雲泥の差があって、そしてその差は広がり続けるのだろうと感じました。

情報をただただ得ているだけでは、それは情報のアンテナでキャッチしているとは言わないのです。
その情報の真の価値に気づけて初めて、情報のアンテナを高く持っている、と言えるのでしょう。
そしてその価値に気づける人間こそが、優秀な営業マンと言われる人達なのだと思います。
情報の価値に気づくためには、日頃からの訓練が必要です。
周りの先輩後輩の成功のきっかけをたくさん把握し、分析し、自分自身でも成功体験を積み上げていくことで培われていくものなのでしょう。