社畜レベル向上プロジェクト

真剣に社畜としての自分の人生に向き合うブログです

混沌の国、日本

久しぶりのブログ更新。ここ数ヶ月は色々思うこともあったり、仕事が多忙だったりで、単純にブログを更新する気持ちにならなかった。

あまり気負わずに(勝手に気負ってるだけだが)、つらつらと思うことを書くだけでいいか、と思い直し、また書いてみることにした。
それにしてもたいそうなブログタイトルにしてしまったなぁ。。。まあ仕事とかの話も何か思うことがあれば書く予定だけど。

久々に日本に帰ってきた。今回は一泊2日の弾丸帰国だ。
夜行便で成田に着き、そこから約1時間半、京成本線に揺られて上野駅まで来た。
京成上野駅から地上に上がり、西郷隆盛像の下に位置する公衆トイレに立ち寄った。
5つある小便器の奥の2つに、2人のお年寄りが並んで立っていた。
少し違和感があった。妙に近い。というよりもお互いのものを見せ合っているようだ。2人は周りを気にするそぶりもなく、お互いのものを触りあっていた。
僕は2人を横目に用を足すと、トイレを出て、一服しに近くのルノアールに入った。朝だというのに喫煙ルームは思いの外混んでいた。休憩中のサラリーマン達に混じり、何人か水商売風の若い女性達もいる。真っ白の起毛ワンピースから肩を露わにした20代前半と思われる派手めの女性と、病的な位に痩せて髭を生やした黒のジャージ姿の40代と思われる男性、不釣り合いにも見える2人のが隣で話している。
女性がやや強い口調で問いかける「ねえ、これからどうするつもり?」
「そうだなぁ…。」
「〇〇君のわがままを受け入れてくれるところなんてないよ。考えてよ。」
「そうだなぁ…。」
女性はテーブルに突っ伏した。泣いているわけではなく、ただ寝ているようだ。夜通し起きていて疲れているのかもしれない。その女性の頭を男性が優しく撫でている。
やがて女性が顔を起こすと、男性がスマホの写真を女性に見せた。写真には昨夜の2人の営みの様子が収められてるようだった。
「やめてよ!消して!」女性が照れ笑いしながら言った。「いいじゃん。あとで消すよ。」「今消してよー」
どういう関係かは知らないが、男はやはり生来お気楽な生き物なのかもしれない。
僕は水出しアイスコーヒーを飲み終えると店を出た。
まだ時間がだいぶある。
僕は近くのパチンコ屋に入った。平日の朝だというのにほぼ満席だ。大層の客は年金生活者であろうお年寄り達だ。
僕は荷物が大きかったので、たまたま空いていた入り口に一番近い席に座った。必殺仕事人の最新機種だ。
僕はパチンコは好きだ。別に勝つつもりでパチンコをしているわけではない。はなから勝てると思っていないから、勝ったらラッキーってくらいの気持ちで席に座り、ただただ玉を打っている。この何も考えていない時間、脳みその殆どを使う必要のない時間、時間と金をこの退廃的な空間で浪費している自分が、なぜか好きなのだ。社会人になり、ある程度お金に余裕が出てきて初めてパチンコを打ったあの日から、ここはなぜか自分の居場所として落ち着ける空間になっていた。
だからなのか、年金をパチンコ屋に流し込んでいるご老人達を見ても、ここが彼らの居場所なのだと、落ち着ける空間なのだと理解できるし、妙な仲間意識すら持つ。
結局2時間程度打って、トントンだった。2回大当たりを出したが、2回とも単発。特に盛り上がりもなく終わった。

昔、ここ上野のハプニングバーに行ったことがある。入った途端、時空が歪んだように思えた。薄暗く怪しい雰囲気。服を着ている方が異常。バーカウンターで飲み放題のテキーラをもらい、近くにいた上半身裸の五十路のおばさんと乾杯をした。「あなたと同い年の娘がいるわー」とおっぱい丸出しで話すそのおばさんと、僕は何を話せばいいのか分からなかった。少し遠くのソファに、女子高生のコスプレをした女の子が見えたので、近づいてみた。
男だった。
「こういう所でしか素の自分を出せないんだよ」とその女子高生の服を着てカツラを被った男が言った。
そこに常連ぽい本物の女の子が、セクシーな衣装を纏ってやってきた。「久しぶりー◯◯。あたしあんたのち◯こ大好きなのよねー」と言いながらおもむろにその男のスカートの下からパンツの中に手を突っ込んだ。
僕はその場を離れ、先ほどの上半身裸のおばさんと少しだけダーツで遊んで、帰った。
あれから10年近く経つけど、皆元気だろうか。
上野の景色はあの時から変わらない。

洗練されつつも欲にまみれ、抑圧された社会の中で極端な穴の世界が併存している、こんな混沌の国が日本。やはり好きだ。